②次世代パワーデバイス

コース区分 アドバンスト・コース(A)
講座名 次世代パワーデバイス
日程等 2016/12/6(90分)

講義の概要

パワー半導体デバイスは、IT系電源やインバータ家電からハイブリッド自動車、新幹線、電力連携などの広い分野で使われており、効率良く電気を利用して快適な社会を実現するためのキーデバイスとして重要性がますます高まっている。現在使われているSiパワーデバイスは、デバイス構造の工夫や独自プロセス技術の開発により目覚しい進歩を遂げてきたが、その性能改善は限界に近づいている。次世代パワー半導体材料としては、炭化ケイ素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、酸化ガリウム(Ga2O3)、ダイヤモンドなどのワイドバンドギャップ半導体と呼ばれる材料が注目されてきているが、中でもSiCはウェハ高品質化・大口径化、製造プロセス技術の進展により、パワーデバイス開発・量産化への動きが活発化して電車などから実用化が始まっている。

本講義では、次世代パワーデバイスの位置付けについて述べた後に、SiCやGaNなどのデバイス開発及び実用化の最新動向と、実装などの周辺技術の重要性、国内外の国家プロジェクト、IECをはじめとした国際標準化の動向について詳述する。

<講義内容>

1.次世代パワーデバイスの位置付け
2.SiCパワーデバイス開発の現状
3.SiCパワーデバイスのシステム適用効果
4.SiC以外のパワーデバイス技術の現状
5.周辺技術の重要性
6.国家プロジェクトの動向
7.国際標準化の動向
8.まとめ、質疑応答

 

■講師が最も訴えたいこと/期待したいこと

1.パワーデバイス開発の大きな流れの中で次世代パワーデバイスの立ち位置をつかむ。
2.システムへの適用効果はデバイス屋が考えているだけでは見えてこない。
3.次世代パワーデバイスはそれに適した実装技術がなければ特性を発揮できない。
4.国家プロジェクトやオープンイノベーションの場を活用して実用化を早めよう。
5.オープン・クローズ戦略を実現するために国際標準化という手段を使いこなそう。

 

講師の自己紹介(プロフィール)

四戸 孝(東芝)

経歴等

1981年から(株)東芝 研究開発センターで一貫してパワー半導体デバイスの研究開発に従事。この間にGTO、MOSゲートサイリスタ、IGBT、ダイオード、SiCパワー半導体デバイスなどの研究開発を行い、現在に至る。

実装業界での経験等

パワーデバイスの本来の特性を引き出すため実装技術にも手を拡げてきた