⑫WBGパワーデバイスによるビジネス展開

コース区分 アドバンスト・コース(A)
講座名 WBGパワーデバイスによるビジネス展開
日程等 2016/12/6(90分)

講義の概要

長年続いてきたSiパワーデバイスの牙城の一角をWBG(ワイド・バンドギャップ)デバイスが崩そうとしている。これ
は大事件である。「SiC,GaNなどの物理定数がSiより優れている」いうところからの出発がいかに重要かという事実を噛みしめよう。2016~2020年の5年間はパワーデバイス分野にとって極めて重要な時間である。「電力変換器の少しばかりの効率up」がいかにインパクトを与えるか、をよく学習しよう。幸い、この分野における日本のR&Dポテンシャル、デバイス・システム事業化の実力は世界に伍している。これからビジネスで一頭地を抜けるか、が課題である。

(内容)

1. WBGパワーデバイスにすると何が嬉しいか?
-Siの牙城にどれだけ食い込めるか? –
2. WBGパワーデバイスR&Dに対する各国の取り組みと主要学会の動向
-米国、欧州、日本、アジア-
3. 主なWBGパワーデバイスの動向とロードマップ
-当面はSiCとGaNの動向をWatchすれば十分、RMは2020まで-
4. WBGパワーデバイスのアプリケーション分野と市場展望
-デバイス、モジュール、システム、構成部材、製造装置、評価装置、ソフトウエア-
5. WBGパワーデバイス関連主要メーカとその戦略
-同上-
6.「Something New」への挑戦例
(例:金星探査計画、SiC結晶成長法の新しいチャレンジ、粒子加速器への応用)-

 

■講師が最も訴えたいこと/期待したいこと

この教育プログラムの狙いは「技術全体に対する俯瞰力を養うこと」と「卓抜なアイデアを発想する力を養うこと」である。そのためには次のような姿勢で臨むことが重要である。

1. R&Dに世界がどう取り組んでいるかを理解する。
2. SiC,GaN等の物理定数がSiに比べ優位なことは分かっている。問題は欠点・弱点をどう克服したかである。
3. SiC,GaNの特徴を最大に生かせる応用とは? をよく理解しよう。
4. 最終的な狙いは省エネルギー電力変換器の実現と世界中への普及問題である。
5. 「Something Newへの挑戦」例の発想法に学ぼう。

 

講師の自己紹介(プロフィール)

宮代 文夫

経歴等

通信工学科・卒、東芝入社、主として研究畑でマイクロ波電子管、SAWデバイス、機能モジュール開発等に従事。

実装業界での経験等

東芝の初代実装委員長。エレクトロニクス実装学会元副会長
・名誉会員、IMAPS Fellow、IEEE Life Member、YJC理事。