①車載パワーモジュールの実装技術

コース区分 アドバンスト・コース(A)
講座名 車載パワーモジュールの実装技術
日程等 2016/12/6(90分)

講義の概要

日本で汎用的に使われる「実装技術」は業界によって内容が異なる。自動車では実装技術を半導体応用技術
として広く捉え、壊れ易い半導体を車載電子機器で安全に使う手法全般を指す場合が多い。半導体は単独では
車の環境に耐えられないため、車載する場合、適切な保護回路や接続構造を付加する必要があるためである。
電源トランジェントの大きい車載電子機器では、課題の多くは電磁干渉であり、機器設計には半導体信頼性技術
が不可欠である。このことは車載パワーエレクトロニクスにも当てはまるが、中心となるパワーモジュールでは
熱設計の比重が増える。
本講義では実装技術をパワー半導体の車載応用技術として捉え、信頼性確保に必要な実装構造や要素技術を
紹介すると共に技術・材料開発の方向性を検討する。

(内容)

1.車載電子機器の実装技術
半導体の車載応用 車載パワーエレクトロニクスの動向
2.パワーデバイス応用技術
パワーMOS IGBT SBD 電力損失 検査・スクリーニング 並列接続
3.パワーモジュール実装技術
車載パワーモジュールの構成 高パワー密度化
4.パワー実装要素技術
許容電力損失 熱伝導/熱伝達/冷却 高Tj化
熱ストレスと接合寿命 寿命評価試験 接合材
5.パワーモジュール開発目標
Siデバイス SiCデバイス

 

■講師が最も訴えたいこと/期待したいこと

半導体チップを搭載したモジュールは、半導体の知識がなくても、適当に部品や材料を組み合わせれば形(実装)が
できる。しかし組み合わせは無限にあり、期待した結果が出ないと開発は迷走に陥り易い。実装開発は半導体の
特性とそれを使用する機器をマッチングさせる技術であり、マッチングとは性能・品質とコストの両立、つまり信頼性
技術である。

 

講師の自己紹介(プロフィール)

冨永 保

経歴等

1972~1989 日産自動車㈱
1989~2015 カルソニックカンセイ㈱
2013~     YJC

実装業界での経験等

車載半導体・ASICの開発・評価
半導体のイミュニティ評価手法開発
パワー半導体の実装、パワーモジュール開発