⑥パワーモジュール用実装材料(樹脂)

コース区分 アドバンスト・コース(A)
講座名 パワーモジュール用実装材料(樹脂)
日程等 2016/12/6(90分)

講義の概要

低炭素社会の鍵を握る省エネデバイスとしてパワーデバイスが注目されている。特に200℃を超える温度での稼動領域を有するSiC半導体の適用も視野に入っており、高効率のパワーデバイスパッケージやモジュールの実現が急がれている。特に、急成長が見込まれる自動車分野のパワーモジュールは、250℃に達する耐熱性と高い信頼性が要求される。本講義では、この封止材料、伝熱シート材料に必要とされる性能とその鍵となる高耐熱の熱硬化性樹脂について、材料設計、開発、評価技術の基礎から応用まで解説する。最新樹脂材料の研究事例とともに、4年が経過したSiC等大電流パワーモジュール用実装材料評価プロジェクト(略称KAMOME-I,II)の活動概要から見えてきた鍵を握る樹脂特性とその評価方法についても紹介する。

本講義では、SiCパワーデバイスモジュールについて封止樹脂、伝熱シート材の観点から概説した後、パワーモジュール用高耐熱樹脂の設計、開発事例、評価法を紹介する。

(内容)

1.高耐熱パワーモジュール実装技術と高分子材料
2.耐熱性高分子材料の分子設計(物理的耐熱性と化学的耐熱性)
3.高分子材料の耐熱性、機械特性、電気的特性
4.エポキシ樹脂の材料設計と高耐熱化へのアプローチ
5.耐熱性300℃超を目指す熱硬化性樹脂と応用
6.SiC等大電流パワーモジュール材料開発・評価支援プロジェクト(KAMOME-PJと樹脂材)
7.まとめ、質疑応答

 

■講師が最も訴えたいこと/期待したいこと

1.パワーモジュールにおける樹脂材料が担う役割の重要性。
2.分子設計、樹脂設計、材料設計へステップ展開での鍵となる課題。
3.材料を制するものが全てを制する、早期の開発着手と細心の詰め。
4.パワーモジュール特異の信頼性評価と開発へのフィードバック。
5.パワーモジュール材料間の境界領域への積極的な挑戦。

 

講師の自己紹介(プロフィール)

●高橋昭雄

経歴等

(株)日立製作所でハイエンドサーバを対象とした電子材料技術、主として高分子材料の研究開発を経験した後、2006年に横浜国立大学、先端物質化学コースの教授に就任し、耐熱性樹脂、環境対応樹脂の研究。2013年より客員教授。

実装業界での経験等

40年に達する樹脂材料の研究開発と技術委員会委員長、プロジェクトリーダ歴任

 

●大山俊幸

経歴等

1999年より横浜国立大学において機能性高分子材料、高性能高分子材料の研究に従事。

実装業界での経験等

実装材料関連企業との多数の共同研究実績