④Si,SiC,GaN等の結晶とウエハ
コース区分 | アドバンスト・コース(A) |
講座名 | Si,SiC,GaN等の結晶とウエハ |
日程等 | 2016/12/6(90分) |
講義の概要
自動車をはじめとするパワーエレクトロニクスに用いられる半導体材料であるシリコン(Si)、炭化珪素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)について、その基礎物性、製造方法と課題について解説します。
序論では、パワーエレクトロニクスに使われる半導体素子を簡単に紹介し、その種類と役割を簡潔に説明します。次に、珪素、炭化珪素,窒化ガリウムなどの半導体材料を紹介します。珪素は、最も広く使われている半導体材料です。炭化珪素や窒化ガリウムに比較して「欠点が少ない結晶」であることが特徴と言って良いでしょう。炭化珪素と窒化ガリウムは「ワイドバンドギャップ」と呼ばれる通り、半導体の電子状態である「伝導帯」と「価電子帯」の間が広い物質です。物理定数がシリコンとは大幅に異なることが注目され、絶縁破壊電界が高いこと、動作温度が高いこと、低損失であること、などからパワーデバイスに向いている材料です。電力制御といった大きな電圧・電流を扱う用途には、容易には電気を流さず、流す時には損失なく流すことが必要ですが、そのために「バンドギャップ」が大切であることは理解して頂きたいことです。
1.半導体素子とパワーエレクトロニクス
2.半導体材料(シリコン、炭化珪素、窒化ガリウム)の特徴
3.シリコンの製造方法
4.炭化珪素の製造方法
5.窒化ガリウムの製造方法
6.半導体結晶の特徴的用語
結晶と多形(よく使われる記号の意味)
結晶欠陥、など
7.課題
以上を通して、結晶材料の見方、材料の機能の限界、それを超える考え方、などについて考えます。
例えば、化学反応の速度に理論的に生じる上限について、それを超える方法を実現した例などを紹介しながら、色々な物理現象、化学現象を含めた自然現象を高度に活用する考え方を議論します。
■講師が最も訴えたいこと/期待したいこと
出発点に立ち返って技術そのものを考え直し、そこから必要なこと、将来の方向を考える。
講師の自己紹介(プロフィール)
羽深 等
経歴等
信越化学工業㈱ ~2000年、
横浜国立大学 2000年~
実装業界での経験等
半導体材料開発(シリコン、炭化珪素)