⑧パワーモジュール実装材料(接合材)

コース区分 アドバンスト・コース(A)
講座名 SiC実装の材料 接合材
日程等 2016/12/6(90分)

講義の概要

パワー半導体の接合は、従来は「はんだ」で接合するものであり、需要は電鉄や産業機器などと小さく、あまり注目されるものではなかった。しかし、下記のような変化により、研究開発が盛んになっている。

①自動車の電動化が進み、インバータなどの車載用電力変換器の需要が拡大している。また、太陽光や風力発電など、発電が多様化し、小型の電力変換器も増加している。
②SiC等ワイドバンドギャップパワー半導体の開発が進み、200℃を超える動作の可能性が出てきた。
③従来のPb系高温はんだは、環境問題により、今後は使用できない。

本講義では、始めに自動車の電動化に関する概要を述べた後に、パワー半導体の接合に求められる
要件に関して説明する。続いて、近年研究が行われている接合技術を紹介する。

(内容)

1 自動車の電動化
2 次世代パワー半導体
3 パワー半導体用接合技術
3.1 求められる要件
電気、熱、信頼性
3.2 接合技術の研究開発動向
高融点はんだ
合金接合
金属ナノ粒子
4 受講者の方との懇談
計測、シミュレーションなど

 

■講師が最も訴えたいこと/期待したいこと

1本分野は境界領域にあり、電気、機械、材料の多面的な知識、見方が必要。
2単にくっつけるだけの簡単な技術と思われるが、実は課題が多く三重苦とも言われる。
3お勉強だけでなく、実際にモノを作り、触らなければ、本当のところはわからない。
4「しぶとく」、「しつこく」やらなければ、前へ進まない。
5自ら技術情報を発信しなければ、誰も認識してくれない。

 

講師の自己紹介(プロフィール)

山田 靖

経歴等

1986~2011年 豊田中央研究所で、自動車エレクトロニクスの研究に、
2011年~大同大学で、同研究と電気電子工学の教育に従事。

実装業界での経験等

2000年からハイブリッド車用インバータのパワー半導体実装を担当。2004年に高温動作用接合技術の研究に着手。